今回は日本を代表するセレクトショップ「SHIPS」を手がける、株式会社シップス様の導入事例についてご紹介します。「SHIPS」は日本を代表する老舗セレクトショップで、主に衣類や雑貨類を販売しています。1977年に東京・銀座で1号店をオープン。以来、日本におけるセレクトショップのパイオニアとして成長を続けて、現在では全国各地で事業を展開し、複数のブランド合わせて91店舗を出店されています。
従来のシステムの課題
「SHIPS」の店舗では、これまでアナログカメラを利用した監視システムで、セキュリティ対策を行ってきました。しかしこのシステムには大きな課題がありました。1つはスペースの確保です。各店舗のバックヤードには、データの保存に必要な大きなHDDと映像を閲覧するための専用モニタを設置する必要がありました。またシステムが店舗ごとにそれぞれ独立した運用であることも課題でした。万引きなどの被害にあった際には、警察や保険会社などへの情報提供のため、ビデオをダビングしなければなりません。こうした作業は各店舗のスタッフが対応する必要があり、人的資源の確保が求められました。シップス様ではこうした課題を解決できる新たなシステムへの移行を検討、2016年からEagle Eye Cloud VMSを採用いただき、順次導入されています。
VMSシステムの特徴
株式会社シップスの情報システム部課長阿部一成氏は、次のように話します。「Eagle Eye Cloud VMSを採用した決め手は、店舗にモニタもHDDも設置せず、映像送信時の帯域調整ができることです。クラウド型により、大規模な記録用ハードウェアを必要としません。また、在庫管理やPOSなどの既存のネットワークに影響しない通信帯域で利用できる点も魅力でした。」
クラウドにより全国各地の映像を一元管理
Eagle Eye Cloud VMSの特徴は、クラウドを活用した一元管理ができることです。カメラの映像をクラウド上で保存・共有するため、インターネットにつながれば、いつでもどこからでも映像にアクセスができます。専用のアプリをダウンロードすれば、パソコンだけでなくスマートフォンからの確認も可能です。これにより全国各地にある店舗のデータを本部で一括して管理することができるようになりました。管理画面も使いやすくなっており、表示項目のカスタマイズやスタッフへの閲覧権限の付与なども簡単に行うことができます。
またさまざまなメーカーのカメラに対応しているので、従来使用してきたアナログカメラをそのまま活用でき効率的な運用が可能です。各店舗で必要となるのは、一時保存のための小型ブリッジのみで、大型のHDDや専用モニタも必要ありません。バックヤードスペースの利用を最小限に抑えられ、限られた店舗スペースを有効的に活用できます。万引きなどへの対応も、店舗スタッフではなく本部の社員が対応することができるようになり、店舗運営も有効的にできるようになりました。
ネットワーク帯域の有効活用
店舗で撮影された映像データは一度ブリッジで保管され、そこからクラウド上へ保管されます。Eagle Eye Cloud VMSではこうしたデータ転送の時間指定が可能です。シップス様では、夜間店舗が閉まっていてネットワークが空いている時間帯に設定しています。これにより店舗の営業している昼間は、レジで扱うPOSデータや在庫管理データのためにネットワークを優先して利用することができます。そのため営業業務に支障がなく、また既存のネットワーク環境を用いて、Eagle Eye Cloud VMSを導入することができました。
クラウドとブリッジの併用で映像の断絶を防ぐ
Eagle Eye Cloud VMSはシステムが安定しており、映像の断絶といった事態も未然に防ぐことができます。「以前、通信断が起きたことがありましたが、店舗にあるブリッジには映像が保管されていたため、後日転送することができました。オフラインになったとしても映像が途切れることなく保存できていて良かったです。」(阿部氏)こうした導入効果を実感された株式会社シップス様では、店舗の新規オープンや改装をおこなうごとにシステム更新を進めており、現在では23店舗247台のカメラが稼働しています。
防犯からマーケティングへ
防犯目的で導入されたEagle Eye Cloud VMSですが、阿部氏は新たにマーケティングの側面でも活用できないかと模索しています。店内の様子を知るためには、これまで店舗まで出向く必要がありました。しかしEagle Eye Cloud VMSを活用すれば、高解像度で撮影された店舗内の映像をいつでもどこでも確認できます。また動く物体を検知して録画映像にフラッグが立つ、「モーション検知機能」を搭載しているので、お客様の店内での動きも把握しやすくなっています。「これまでもピープルカウンターでカウントはできるんですけど、体感として(お客様が)ああ、入っているねというのは単純にカメラの映像を見るのが1番なので、そういった利用もしています」(阿部氏)全国各地の店舗に出向かなくても、それぞれの店舗の様子を現場さながらに知ることができます。
近年、日本ではさまざまな現場で人材不足が懸念されています。こうした動きは小売業でも変わりません。とくに小売業では、店舗や拠点が各地に点在している場合が多く、一括した運用というのが難しい側面があります。Eagle Eye Cloud VMSは、クラウドによる監視システムで、いつでもどこからでも映像データを一元管理できます。防犯的な側面だけでなく営業やマーケティングといったさまざまな側面で、効率的な店舗運営をアシストしてくれることでしょう。
このプロジェクトの詳細は次のとおりです
設置箇所 | 23箇所 |
カメラ台数 | 247台 |
保存期間 | 30-90 日 |
Eagle Eye ブリッジモデル | Eagle Eye ブリッジ 304 |
カメラメーカー | Panasonic Axis |
カメラタイプ | IPカメラ |